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ファクタリングコラム
2023年5月17日
目次
ファクタリングを利用する企業・事業者が増えている一方で、詐欺の被害にあうケースも珍しくありません。
また、中には依頼側がファクタリング詐欺を行う事例も報告されています。
そのため、詐欺に騙されないようにしながら、自身でも不正な取引を行わないよう注意が必要です。
本記事では、ファクタリング詐欺について依頼側・業者側どちらもご紹介します。
正しくファクタリングの取引ができるよう、ぜひ本記事を参考にしてください。
そもそもファクタリングは、商品・サービスの提供によって得られる売掛債権を業者に買い取ってもらい現金化する資金調達手段の1つです。
他の資金調達手段と比較すると現金化までの期間が早い点から、中小企業や事業者の円滑な運営を達成するために、近年ではファクタリングが注目されています。
また、ファクタリングは資産売却に該当するので借入や借金にはならず、財務諸表のオフバランス化ができる点も魅力です。
早期資金調達が可能なファクタリングだからこそ、依頼側が架空債権を発行した詐欺が多く見られるようになりました。
架空債権とは、取引が発生していないにも関わらず発行されている売掛債権で、本来は存在しない債権です。
ファクタリングにおいては請求書の偽造・捏造が該当します。
特に依頼側とファクタリング業者の間でのみ取引される2社間ファクタリングにおいて、架空債権による詐欺が多いです。
架空債権を売却し、期日までに偽造した請求書の金額を支払えば、バレることはないだろうという気持ちで作成するようです。
しかし、架空債権は本来存在しない取引を装って金銭を取得するわけなので、詐欺罪が成立します。
損害額が500万円を超えると執行猶予がつかず、実刑判決が下るケースがほとんどです。
事業を建て直したい気持ちはわかるものの、架空債権によって訴えられてしまうと、運営どころではなくなります。
架空債権の売却以外にも、売掛債権の二重譲渡も法律で禁止されています。
理由は単純で、二重譲渡を行えば1つの売掛債権で複数のファクタリング会社から資金調達が可能になるからです。
原則として1つの売掛債権が売却できるのは1社のみ、と覚えておけば二重譲渡は防げるでしょう。
また、複数の売掛債権を異なるファクタリング会社に売却すると、二重譲渡のリスクが高くなるため、基本的には1社と契約しておく意識が大切です。
詐欺を行っている自覚はなくとも、知らずに該当するケースもあるので注意しなくてはいけません。
例えば、2社間ファクタリングを利用し、売掛先から入金された売掛代金をファクタリング会社ではなく他の支払いにあててしまった場合です。
本来ならファクタリング会社に支払わなければならない資金のため、これは横領罪に該当します。
間違ったとしても、別の資金で支払いが可能なら問題ありませんが、無理ならファクタリング会社が取り立てをしなくてはいけません。
ファクタリングを利用する場合は、資金用途を明確にしておき、必ず売掛代金の支払いは行うようにしましょう。
ファクタリングの依頼側が詐欺や横領によって逮捕や裁判になった事例があります。
平成27年には、ある製造会社が売掛先の印鑑を偽造して架空債権を捏造し、のべ7億円以上の資金を取得したケースです。
売掛先が大手企業のため、高額な買取金額が実現できたようです。
裁判になったケースとしては、平成28年に薬局グループが売掛債権の二重譲渡を行ったものがあります。
支払い期日でも入金がされず、契約が不履行になったところから裁判に発展しました。
結果として、依頼側がファクタリング会社へ支払いをするよう裁判所から命じられたようです。
このように、ファクタリング詐欺は業者側が行うだけでなく、依頼側が資金調達目的で行うケースも少なくありません。
ファクタリングに関する詐欺は、違法詐欺会社によるケースがほとんどです。
なぜ違法詐欺会社が横行しているのかというと、ファクタリングに関する法律の整備が整っていない点があげられます。
最近になって貸金業登録が必須なファクタリングなどの制定がされましたが、いまだに悪質な業者は存在しています。
では、どのような違法詐欺会社がいるのか、詳しく見ていきましょう。
ファクタリング詐欺の多くは、高額な手数料と貸付を行う2パターンです。
ファクタリング自体に利息制限法は適用されないため、高額な手数料については違法になるかは難しいでしょう。
平均的な手数料は10〜20%となっているため、それ以上の場合には悪質業者である可能性が高いです。
赤字決算や税金滞納をしていてもファクタリングできる、という謳い文句で手数料を高く設定している業者も存在します。
だとしても、20%以上の手数料は高いので、利用すべきではないでしょう。
利用を引き金にして、様々な詐欺被害に遭うケースも考えられます。
中には、ファクタリングと称して実質貸付のような契約を結ばせる業者もいます。
ファクタリングは借金や借入ではないので、貸し付けるような契約に発展するなら悪質業者と判断していいでしょう。
企業の社員や従業員が利用する場合には給与ファクタリングを用います。
しかし、給与ファクタリングは貸金業登録をしているファクタリング会社ではないと取引できません。
そのため、給与ファクタリングを検討している場合、依頼を考えている業者が貸金業登録をしているか確認する必要があります。
もし、貸金業登録をせずに給与ファクタリングサービスを提供しているなら、違法性が認められるので避けるべきでしょう。
給与ファクタリングとしながら貸付やファクタリングとは異なる契約を結ばせてくる可能性もあります。
違法詐欺業者は巧妙な手口で取引を持ちかけてくるので、依頼する側が正しい知識をもち、判断する力を身につけなくてはいけません。
悪質な詐欺業者に騙されないため、自身で違法行為を行わないためにも、ファクタリングを正しく取引するポイントを理解しておくべきです。
では、どのようなファクタリング取引をしていけばいいのか、主に4つのポイントをご紹介するので参考にしてください。
依頼する側が徹底しなければならないのは、正当な売掛債権を利用する点です。
目先の利益に囚われて、架空債権を捏造しないよう注意しましょう。
架空債権はファクタリング会社側が告発しなければ詐欺罪に該当しません。
そのため、中にはファクタリング会社から架空債権の話を持ちかけられる可能性もあります。
しかし、架空債権を捏造する行為自体、正当な取引ではなくなるため、話を持ちかけられても断るようにしましょう。
また、持ちかけてきたファクタリング会社とは取引しないほうが、今後のトラブル回避につながるはずです。
売掛債権の売却は1件につき1社のみ、というルールを念頭にいれておきましょう。
間違って2社と取引しないようにするには、相見積もりをしないのがポイントです。
できるだけ売掛債権を高く買い取ってもらいたい気持ちはわかりますが、二重譲渡のリスクを考えるとおすすめできません。
そのため、売掛債権を売却する際は、自身にとって最適なファクタリング会社を1社に絞っておきましょう。
ちなみに、別の売掛債権なら他のファクタリング会社に依頼しても問題ありませんので、管理が可能なら検討してみてください。
悪質な業者に騙されないためには、手数料の相場を把握しておくのも大切です。
手数料が相場よりも高いと感じたら理由をきく、あるいは利用を控えるといった行動ができます。
手数料の相場は2社間・3社間で異なり、およそ以下の通りです。
・2社間:5~20%
・3社間:1〜10%
最近では、2社間契約でも低い手数料で取引できるファクタリング会社も増えています。
手数料の相場を把握し、法外な取引をされないようにしましょう。
正当な取引をする際は、契約書類・約款内容を確認するのが最も適切です。
違法詐欺業者の中には、契約書類がない場合もあります。
また、契約書類・約款がある場合は、貸付や高額な手数料などの悪質性のある項目もチェック可能です。
ただし、契約書類や約款は見るべき項目が多いので、詳しい内容は以下の記事にまとめています。
ご興味のある方はぜひあわせて読んでみてください。
ここでは、ファクタリング詐欺に関するよくある質問についてまとめました。
ファクタリングは法律でも認められている合法な資金調達手段の1つです。
ただし、ファクタリング自体の法律がないため、悪質業者が多いのも避けられません。
だからこそ、依頼側が正しい取引ができるような知識を身につける必要があります。
ファクタリングにおいて審査は必ずあるので、審査なしを謳っているなら詐欺の可能性が高いです。
赤字決算や税金滞納だと、審査が通らないと思い込んでしまい、ついつい審査なしという言葉に注目してしまいます。
しかし、ファクタリングにおいては売掛先の与信が重要になるので、自社が赤字決算や税金滞納をしていても、利用可能な点を覚えておきましょう。
今回はファクタリング詐欺について、依頼側と業者側の2パターンをご紹介しました。
架空債権や二重譲渡によって、自身が不正な取引をしないよう注意するのと同時に、ファクタリング会社の信用度にも気をつけなくてはいけません。
安心した取引ができるファクタリング会社を見つけられるよう、正しい知識を身につけてファクタリングを利用してください。
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