ファクタリングコラム

月末締め翌月末払いの意味と仕組み|下請法や土日の扱いは?契約書・請求書の書き方を解説

コラム

公開日:2026年6月7日更新日:2026年6月4日

月末締め翌月末払いは、ビジネスで最もよく使われる決済ルールの1つです。そんな月末締め翌月末払いですが、「土日はどうなる?」「下請法に違反しない?」と気になる方も多いでしょう。

そこでこの記事では、月末締め翌月末払いの意味と仕組みを解説します。また、契約書の書き方や資金繰りの対処法も併せてまとめました。

この記事を読めば、決済の基本を深く理解できるので、スムーズな取引を実現したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

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月末締め翌月末払いの基本と掛取引の概要

月末締め翌月末払いとは、1ヶ月間に発生した取引の代金を月末に合計し、翌月の末日に一括で支払う決済方法です。企業間の売買では、その都度現金で決済するのではなく、一定期間の代金をまとめて後払いにする掛取引が基本となっています。

この掛取引において、最も標準的に採用されているのが月末締め翌月末払いの支払いルールです。売上や請求を管理する基準日が月末に設定されているため、経理の事務作業を大きく効率化できます。

月末締め翌月末払いの仕組みと支払いサイト

月末締め翌月末払いは、1日から末日までの取引代金を合計し、次の月の末日に入金するといった流れになります。4月10日や4月25日に納品した商品の代金は、すべて4月30日で締め切られる形です。

そして、売掛先が5月31日に支払いをします。この締め日から実際の入金日までの期間を支払いサイトと呼ぶのが一般的です。

月末締め翌月末払いの場合は、締め日から数えて約30日、取引発生日からは最長で60日を超える猶予が生じることになります。

支払いサイトに関して、より詳しく知りたい方は以下の記事もおすすめです。
支払サイトとは?意味や計算方法を簡単に解説!60日・120日の違いや交渉術も紹介

月末締め翌月末払いと下請法(60日ルール)の関係

企業間の取引では、弱い立場にある下請業者を守るための法律が存在します。決済のルールを決める際、下請法に違反しないよう注意しなければなりません。ここからは、下請法のルールや注意点などを解説します。

下請法が定める支払い期日(60日ルール)の制限

下請法では、親事業者が下請事業者に代金を支払う期日を厳格に定めています。具体的には、物品やサービスを受け取った日から数えて、必ず60日以内に代金の支払いを完了させる必要があるのが特徴です。

この決まりは、ビジネスの現場において一般的に「60日ルール」と呼ばれています。もし、60日を超える決済条件で契約を結んでも、法律の規定が優先されるため無効となります。

違法とならないための起算日と検収の注意点

60日ルールの計算を始める起算日は、請求書が届いた日ではありません。商品を実際に受け取った日、あるいはサービスの作業が完了した日が起算日となるので注意が必要です。

月末締め翌月末払いの場合、品物の受取日で支払日までの日数が変わります。月初に納品されると60日を超える月があるため、早めに検収しましょう。

取引先が下請法に違反していた場合の対処法

自社が下請法の保護対象となる事業者であり、親事業者からの入金が60日を超えている場合、下請法違反に該当する可能性があります。まずは担当者に連絡し、支払いサイトの短縮や早急な支払いを冷静に求めましょう。

それでも状況が改善されない場合は、公正取引委員会や中小企業庁の窓口へ相談するのが有効な手段です。行政からの指導により、問題の解決につながる可能性があります。

買い手が月末締め翌月末払いを利用するメリット

商品やサービスを購入する買い手側にとって、手元に現金が残る期間が長くなるのが最大のメリットです。商品を仕入れてから実際に代金を支払うまでに、約1ヶ月から2ヶ月の猶予が生まれます。

この期間に商品を販売して売上を作れば、その利益から支払いを済ませることも可能です。つまり、資金繰りに余裕を持たせた状態で事業を回せるようになります。また、1ヶ月分の請求をまとめて1回の振り込みで終わらせられるため、振込手数料の節約にも直結します。

売り手が抱える月末締め翌月末払いのデメリット

買い手にメリットがある一方で売り手側には、売上を立ててから現金が入ってくるまでに長い時間がかかるといったデメリットが存在します。この期間中も、従業員への給与や事務所の家賃などは支払わなければなりません。

手元の資金が少ないと、黒字であっても現金が底をつく黒字倒産のリスクが高まります。また、取引先が倒産して代金が未回収になる貸し倒れの危険性も抱えることになります。入金までの期間が長いほど、相手の経営状況が悪化するリスクも跳ね上がるため注意が必要です。

月末締め翌月末払いの支払日が土日・休日の取り扱い

月末の支払日が土曜日や日曜日、あるいは祝日と重なるケースは頻繁に発生します。銀行の窓口が休業日となっている場合、入金処理をどのように進めるべきか悩む担当者は多いはずです。ここでは、休日に重なった場合の代表的な3つのパターンを詳しく解説します。

前営業日に支払う場合

休日の前の平日(前営業日)に前倒しして振り込むパターンでは、月末の31日が日曜日の場合、その直前の金曜日である29日を支払日として設定します。

売り手側としては、予定よりも早く現金が手に入るため、資金繰りが楽になる大きなメリットがあります。下請法に抵触しない限り、企業間で自由に合意して設定できる方法です。大企業などが、下請け企業へ配慮してこのルールを採用するケースもよく見られます。

翌営業日に支払う場合

翌営業日に支払う方法は、休日が明けた後の平日(翌営業日)に後ろ倒しして振り込むパターンです。月末の31日が日曜日の場合、翌月の1日である月曜日を支払日とします。

買い手側にとっては、資金を用意する期間が数日延びるため都合の良いルールとなっています。多くの企業がこの方式を採用しているのが実情です。ただし、下請法が適用される取引は翌営業日に延ばした結果として納品から60日を超えると法律違反になるため、厳重な確認作業が求められます。

契約書に記載がない場合

休日の取り扱いが契約書に一切記載されていない場合、民法の規定が適用されるのが基本です。民法第142条では、期間の末日が休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は「その翌日」に満了すると定められています。

つまり、自動的に翌営業日払いの扱いになります。しかし、お互いの認識にズレがあると、入金遅れを巡る無用なトラブルを引き起こしかねません。支払いに関する不安をなくすためにも、新規取引を始める際は必ず事前の取り決めを交わしておくことが大切です。

月末締め翌月末払いの契約書や請求書への正しい書き方

トラブルを防ぐためには、見積書や契約書で事前に支払い条件を明記することが非常に重要です。口約束だけで済ませず、必ず書面に残すように心がけてみてください。

契約書の支払い条項には毎月末日を締め日とし、翌月末日までに指定の銀行口座へ振り込んで支払うといった一文をはっきりと記載します。また、休日の取り扱いに関しても、支払日が金融機関の休業日にあたる場合は前営業日とするなど、明確に書き添えておくのが正しい手順です。

月末締め翌月末払いの請求書を発行する際の記載例

実際に請求書を作成する際も、相手が一目で支払い期日を把握できるような工夫が求められます。請求書の右上や金額の下など、目立つ場所に「お支払期日:2024年5月31日」と具体的な年月日を記載するのが一般的なルールです。

単に翌月末払いと書くだけでは、いつの締め分なのか相手が混乱する恐れがあります。また、振込手数料をどちらが負担するのかといった点も、備考欄などに忘れずに明記しておくと親切な請求書に仕上がります。

月末締め翌月末払いの間違った書き方と注意点

請求書によくある間違いとして、翌月末支払いといった言葉の解釈の違いが挙げられます。月末に納品したのに、請求書の発行日が翌月の1日になってしまった場合を考えてみましょう。

この時、買い手側は請求書が届いた月の翌月末と勘違いし、入金が1ヶ月遅れるといったミスが発生します。納品日と請求日のズレはトラブルの元になります。月末に確実に請求書を発行し、いつの取引に対する請求なのかを明確に伝えることが不可欠です。

月末締め翌月末払いで資金繰りがきつい場合の対処法

翌月末までの入金を待つ間、会社の資金繰りが急激に苦しくなることは珍しくありません。ここでは資金難を乗り切る手段として、以下の6つの対処法を詳しく解説します。

  • 取引先に支払いサイトの短縮を交渉する
  • 請求書カード払いを利用する
  • 在庫や経費を減らす
  • ビジネスローンなどの融資を利用する
  • 遊休資産を売却する
  • 資金繰り表を活用する

自社の状況に合った方法を選んでみてください。

取引先に支払いサイトの短縮を交渉する

最も直接的な解決策は、買い手である取引先に支払いサイトの短縮を直接お願いすることです。月末締め翌月末払いを、月末締め翌月15日払いなどに変更できないか打診してみてください。

長年良好な関係を築いている相手であれば、自社の事情を汲んで柔軟に対応してもらえる可能性は高いです。ただし、相手側の資金繰りにも影響を与えるため、慎重な言葉選びが求められます。強引な交渉は関係悪化を招くため、あくまで丁寧にお願いする姿勢が必須です。

請求書カード払いを利用する

資金繰り改善の選択肢として活用が広がっているのが、専用のサービスを経由して請求書をクレジットカードで支払う方法です。自社が支払うべき経費の請求書をカード決済に切り替えることで、実際の口座からお金が引き落とされるタイミングを1ヶ月から2ヶ月ほど遅らせられます。

これにより手元の現金を一時的に温存でき、売上の入金までのつなぎとして大いに役立つ仕組みです。利用には数パーセントの手数料がかかるものの、素早く資金繰りを改善できるのが魅力です。

在庫や経費を減らす

会社から出ていく現金を極力減らす、基本に立ち返った対策も重要になります。倉庫に眠っている過剰な在庫は、安売りしてでも早急に現金化を進めましょう。

また、日々の業務で見過ごされている不要な経費がないか、徹底的に見直すことが大切です。定期契約しているシステムや、使っていない事務所の設備などを解約するだけで、毎月の現金の流出を抑えられます。入金を待つだけでなく、支出を絞る努力も並行して進めるべきです。

ビジネスローンなどの融資を利用する

一時的な資金ショートを確実に防ぐなら、金融機関からの融資を活用するのが一般的な方法です。特に、ノンバンク系のビジネスローンであれば、審査が早く数日以内にまとまった現金を調達できます。

翌月末に確実な入金予定があるのなら、それまでの短期的なつなぎ資金として借り入れるのは賢明な判断です。ただし、金利が高く設定されているため、無計画に借りすぎると後の返済で首を絞めることになりかねません。必要最小限の利用にとどめることを意識して利用するのがポイントです。

資金調達を即日で完了させたい方は、以下の記事もおすすめです。
資金調達を即日で完了させる方法5選!個人事業主・法人向けの審査のポイント

遊休資産を売却する

自社が保有している資産のなかで、事業に直接使っていないものを手放すのも有効な手段です。これを遊休資産の売却と呼びます。まったく稼働していない古い機械設備や長年乗っていない営業車、あるいは値上がりしている株式などがあれば、思い切って売却して現金に換えるべきです。

新たな借金を作らずにまとまった資金を手に入れられるため、会社の財務状況を安全に改善できる非常に大きなメリットを持っています。

資金繰り表を活用する

お金が足りなくなる事態を未然に防ぐには、資金繰り表の作成と活用が欠かせません。毎月の売上入金日や、経費の支払い日を一覧表にまとめて管理します。

これを定期的に更新することで、数ヶ月先に手元の現金がいくら残るのかを正確に予測できるようになります。「来月の20日ごろに現金が底をつく」と事前に分かっていれば、余裕を持って融資や交渉などの対策を打つことが可能です。経営状況を可視化する強力なツールとして機能します。

売掛金を早期現金化できる「ファクタリング」

翌月末の入金日までどうしても待てない場合、ファクタリングといった資金調達の選択肢があります。これは、自社が持っている売掛金(請求書)を専門の会社に売却し、入金日よりも前に現金化する仕組みです。

借入ではないため、自社の決算が赤字であっても審査に通りやすいのが特徴となっています。手数料は差し引かれますが、最短即日で手元に現金を用意できるため、緊急時の資金繰り対策として多くの企業に利用されている手法です。

ファクタリングのメリットを知りたい方は以下の記事もおすすめです。
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従業員の給与・給与における月末締め翌月末払いの扱い

企業間の取引だけでなく、従業員に支払う給与の計算においてもこのルールは広く採用されています。しかし、労働者を守るための法律は非常に厳格であり、安易な運用は許されません。給与計算における特有の注意点を3つにわけて詳しく解説します。

労働基準法における賃金支払いの原則

労働基準法には、給与を「毎月1回以上、一定の期日を定めて支払うこと」と絶対の原則が存在します。月末締め翌月末払いといった設定自体は、月に1回確実にお金が支払われるため、この法律には違反しません。

しかし、資金繰りが苦しいからといって、勝手に支払いを翌々月に延期することは重大な法律違反となります。約束した期日は必ず守る義務があります。

社会保険料や雇用保険料の控除タイミング

給与から社会保険料などを差し引くタイミングには、特有のルールがあります。原則として、社会保険料は前月分を当月の給与から控除します。

月末締め翌月末払いの場合、4月に働いた分の給与が5月末に支払われます。この時、5月末の給与から引かれるのは4月分の社会保険料となるのが一般的な処理方法です。控除の月を間違えないよう注意しましょう。

新卒や中途入社時の初任給がいつになるか

新しく入社した社員にとって、最初の給与日は死活問題です。4月1日に入社した新入社員の場合、月末締めで計算された初任給が振り込まれるのは5月31日です。

つまり、入社してから約2ヶ月間は一切の給与収入がない状態となってしまいます。生活費が不足して困る新入社員も多いため、入社前の段階で支払いスケジュールを明確に説明しておく配慮が必要です。

月末締め翌月末払いに関するよくある質問

決済の実務を進めるなかで、経理担当者から頻繁に寄せられる疑問を取り上げます。年末特有の支払い日程や英語での表現方法、そして会計システムへの入力タイミングなど、知っておくと便利な知識をまとめました。

年末(12月)の支払いはいつになりますか?

銀行法施行令により12月31日から1月3日は休業日です。31日が休日の場合、前営業日払いのルールでは、12月30日(30日が土日の場合はその直前の平日)までに振り込む必要があります。

翌営業日としている場合は、年が明けた1月4日や5日などの仕事始めの日に支払いがずれ込むことになります。

英語で「月末締め翌月末払い」はどのように表現しますか?

海外の企業と取引をする際、この条件は「month-end closing, next month-end payment」と翻訳するのが最も一般的です。または「closing at the end of the month, payment at the end of the following month 」と記載する方法もあります。

会計処理(仕訳・計上)はどのタイミングで実行しますか?

会計ソフトへの入力は、取引が完了した時点と、実際に入金された時点の2回に分けて処理します。買い手側であれば、月末の締めの時点で「買掛金」といった負債の勘定科目を使って帳簿に入力するのが一般的です。

そして翌月末に銀行口座からお金を振り込んだタイミングで、買掛金を減少させる仕訳を記録して処理を完了させます。

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まとめ

この記事では、月末締め翌月末払いの意味と仕組みを解説しました。

企業間の取引で最も一般的な決済方法ですが、下請法による60日のルールや、休日の支払いタイミングなど、注意すべき法律や取り決めが数多く存在します。売り手側にとっては資金繰りの悪化に直結しやすいため、ファクタリングの活用や事前の資金繰り表の作成で安全策を講じることが重要です。

この記事を参考に、自社の取引条件を見直し、トラブルのない健全な決済業務を実現しましょう。

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