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ファクタリングコラム
2025年1月19日
目次
ファクタリングの市場規模は年々増加しています。とくに中小企業の資金調達方法として市場規模は拡大し、中小企業のキャッシュフローの改善に役立っています。
国がファクタリングによる資金調達を後押ししていることもあり、近年の市場規模の拡大は目覚ましいものがあります。
2020年には民法の債権法が改正され、譲渡制限特約などの制限が撤廃されました。売掛債権を資金調達に使用する土台ができ、同時にファクタリングの市場規模も拡大しています。
資金調達に悩む中小企業の方はぜひ参考にしてみてください。
ファクタリングは売掛金を受け取る権利(売掛債権)を売却することにより現金を得られる資金調達方法です。請求書など、売掛金の存在を証明できる書類があれば簡単に利用できます。
利用のための審査もありますが、審査内容は融資の審査ほど厳しくなく、事業規模の小さな中小企業であっても活用しやすいことが特徴です。
ファクタリングは融資などとは異なり、現金を借り入れる資金調達方法ではありません。
入手した資金は返済する必要がなく、万が一売掛先が売掛金を支払えない事態になったとしても利用者に弁済の義務はありません。
自社が所有している財産を換金することで、一時的な資金不足に対応できる方法です。資金繰りの計画を立てやすく、経営改善の強い味方になります。
大企業の下請けになることが多い中小企業では、受注が大企業の景気に左右されることが少なくありません。
大企業の発注がストップすると、下請けの中小企業はとたんに売り上げが急落する恐れがあります。また大企業の急な発注により、一時的に仕入れが増え、経営が圧迫されることもあります。
一時的に売り上げが増えたとしても、その売掛金が資金として入金されるまでには多くの時間がかかることが一般的です。
このようなキャッシュフローの高低差をなだらかにし、経営しやすくするには、売掛金を必要なタイミングで資金化できるファクタリングが有効です。ファクタリングを活用することで、安定した経営が可能になります。
ファクタリングは売掛金の売買とも言われています。
掛け取引の多い業界ではとくに、ファクタリングの活用が有効です。
一般的に売掛金の活用が多い業種として、建設業や製造業などが挙げられます。ひと月分の売り上げを締め日にまとめて売掛先に請求し、一か月後などにその代金を受け取ります。
個人を対象にしたサービス業などであれば、商品やサービスを提供したタイミングで売上金を入手できますが、掛け払いではサービスの提供から代金の受け取りまでに多くの時間がかかってしまいます。収入と支出のバランスが悪くなることがあり、資金繰りが厳しくなることも少なくありません。
そのほか医療関係においても、自己負担額以外は後日まとめて保険会社より入金されるため、すぐにすべての売り上げを受け取る事ができません。
しかしファクタリングを活用することで、資金が足りなくなったタイミングで売掛金を自由に資金化できます。手数料はかかりますが、売掛金の範囲内ですべてが完結するため、融資のように借り過ぎてしまうことや返済が難しくなることもありません。
どのような業種でも売掛金さえあれば活用でき、融資のように審査や利用までに時間がかかることもないため、多くの企業で活用されることになりました。それに従い、ファクタリングの市場規模も年々大きくなってきています。
ファクタリングは世界的にも市場規模が拡大しています。
2023年の世界のファクタリング市場規模は3兆8,500億米ドルと推計されており、なかでも日本2023年度の市場規模は5.7兆円と言われています。市場規模拡大の背景には、政府の方針が大きく関係しています。
中小企業の資金調達方法は銀行などからの融資が一般的です。とくに中小企業の融資への依存度は大企業の倍以上とも言われています。
中小企業は大企業に比べて所有している財産が少ないことも多く、自社内の財産だけで経営を続けていくことは簡単ではありません。融資を受けて資金を増やし、経営を続けていかなくてはいけません。
しかしリーマンショック以降、銀行などの金融機関は貸し倒れのリスクを回避するため、中小企業への融資に慎重になっている現状があります。大企業への融資は増加傾向にありながら、中小企業への融資はあまり増加していません。
経営を続けていくには融資以外の資金調達方法を探るほかなく、経営者は資金調達に頭を悩ませることになりました。
経済産業省中小企業庁では、より柔軟な資金調達を可能にするため、売掛債権担保融資保証制度を創設し、普及を進めるようになりました。売掛債権担保融資保証制度は、売掛債権を担保にして中小企業が融資を受ける際に、信用保証協会が保証を行う制度です。
この制度を始めるにあたり、政府は売掛先などの企業に対し、債権譲渡禁止特約の解除を求める呼びかけをおこないました。債権譲渡禁止特約を解除することにより、売掛債権を担保にした融資だけでなく、売掛債権を売買するファクタリングの市場規模が拡大することになったのです。
債権譲渡禁止特約とは、売掛債権などを他人に譲渡してはいけないとする特約です。
売掛先に対し請求書を発行すると、請求書を発行した側は売掛金を受け取る権利を得ます。
この権利を所有している人を債権者、売掛金を支払わなければいけない人(売掛先)を債務者と呼びます。債権者は債務者に対して「売掛金を受け取る権利」を行使し、売掛金を受け取るのです。
しかし債権者と債務者の間で債権譲渡禁止特約の契約が交わされていると、たとえ債権者が第三者に債権を譲渡したとしても、債務者によってその譲渡契約を無効にすることができました。これは、債務者の権利を守るための制度です。
しかし債権譲渡禁止特約の存在は、売掛債権の譲渡の弊害となります。債権譲渡禁止特約のついた売掛債権は売掛債権担保融資やファクタリングに使用できず、資金調達やキャッシュフローの安定化が難しくなります。
そのため、中小企業庁は企業に対し債権譲渡禁止特約の解除を求め、柔軟な資金調達ができるよう動き始めました。まずは国や地方公共団体が債権譲渡禁止特約の解除を進め、多くの企業に同様の対策をお願いしたのです。
その後、国は債権法(民法の契約等に関する部分)を改正し、譲渡制限特約が付いていても債権譲渡を原則有効にするようになりました。結果として、ファクタリングの市場規模も拡大することになったのです。
2020年4月1日より債権法が改正され、債権譲渡がしやすくなりました。
法改正により、たとえ債権譲渡禁止特約がついていても、資金調達目的での売掛債権の譲渡は可能になったのです。
しかし、わざわざ売掛先が債権譲渡禁止特約を付けていたにも関わらず、法的に問題ないからと言ってその特約を無視することは、その後の売掛先との取引で不利にならないのでしょうか。
この疑問に対し経済産業省などは「債権譲渡による特段の不利益がないにも関わらず、特約を無視したことによって取引を打ち切ることなどは合理性に乏しく、職権乱用にあたる」としています。
法改正とともにこのような解釈が広がり、市場規模の拡大につながりました。
債権法の改正だけでなく、下請中小企業振興法もまた、ファクタリングの市場規模を拡大する要因となっています。
下請事業者にとって、債権譲渡禁止特約は金融機関への担保提供や債権譲渡による資金調達の妨げとなります。しかし下請け企業が親事業者へ特約の解除を申し立てることは簡単ではありません。親事業者の立場が強く、取引の停止や不当な条件での取引につながる恐れがあるためです。
そのような状況に対応するため、下請中小企業振興法では親事業者と下請事業者の間で基本契約を結ぶ際に、次のような内容を定めています。
・債権譲渡禁止特約を締結する場合であっても、親事業者と下請事業者双方が適切であると判断した相手先(信用保証協会や金融機関など)に対する譲渡禁止特約を付けないよう努める
・債権譲渡禁止特約の解除を申し立てられた場合には、申出を十分に尊重して対応する
・債権譲渡禁止特約の解除申し立てを理由に、不当に取引の解除や不利な取扱いをしない
・禁止特約を解除していない場合でも、売掛債権譲渡の承諾(対抗要件の具備)に適切に努める
これにより下請事業者が債権の譲渡を申し出やすくなり、ファクタリングの活用も盛んになったため、市場規模が拡大していくことになりました。
ファクタリングを活用することの多い建設業関係において、国土交通省が平成22年3月1日から開始した「下請債権保全支援事業」もまた、ファクタリングの市場規模が拡大する要因となりました。
下請債権保全支援事業はファクタリング業者が売掛債権などの保証をおこなうことにより、元請け業者が万が一倒産した場合でも売り上げを確実に受け取ることができる制度です。
下請建設企業等の債権保全を支援したり、東日本大震災の被災地域における建設機械の調達を円滑におこなったりするために使用されてきました。
また令和4年12月1日からは売掛債権の保証だけでなく買い取りも対象となり、ファクタリングの活用が盛んになりました。制度は令和7年3月末で終了しますが、ファクタリングの存在を周知し、利用を進めるうえで大きな役割を果たしています。
下請債権保全支援事業により建設業界でもファクタリングの活用が盛んになり、ファクタリング全体の市場規模も広がっていきました。
このようにさまざまな政策によってファクタリングの市場規模は拡大し、今後も発展していくことが見込まれています。とくに今後の景気の動向によっては、融資による資金調達が困難になりやすい中小企業を中心に、ファクタリングの市場規模がさらに拡大していくことでしょう。
この記事ではファクタリングの現状と市場規模について解説しました。
ファクタリングの市場規模は世界的に見ても拡大しており、日本の市場規模も大きくなってきています。
その背景にはさまざまな政策や法改正があり、中小企業の資金調達を円滑にし、経営を支える一因となっています。リーマンショックや東日本大震災などの影響もあり、経営が困難になる企業が増える中、融資に頼らない資金調達方法は多くの企業で採用されることになり、市場規模の拡大につながりました。
今後も景気の動向によって、ファクタリングの市場規模がさらに拡大していくことでしょう。
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