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ファクタリングコラム

一括支払信託とファクタリングは何が違う?安全性が高いのはどっち?

コラム

2020年10月25日

政府(経済産業省)は特に中小企業に対して、「売掛債権(売掛金)を活用した資金調達」を推奨しています。しかし売掛債権(売掛金)を活用した資金繰りには一括支払信託やファクタリングという選択肢があり、その2つは似ているようで大きく違うのです。

どちらにどんな特徴があり、資金繰りの方法として利用するにはどちらが安全なのか?この情報を知ることで、選ぶべきはどちらなのかがハッキリとわかるようになるはずです。

 

「一括支払信託」と「ファクタリング」は似ているようで大きく違う

一括支払信託は「債務引受決済サービス」と呼ばれ、ファクタリングは「売掛債権(売掛金)買取業務」のことを指します。

どちらも売掛債権(売掛金)を利用した資金調達の方法であり、広い意味では一括支払信託もファクタリングに含まれると考えられることがあるのですが、全く同じものと考えるのは危険です。

まずは資金化までが短期間で行えるなど似たようなメリットも存在しているこの2つの資金調達方法の、サービス内容と違いをご紹介します。

 

どちらも売掛債権(売掛金)を利用した資金調達方法

ファクタリングも一括支払信託も売掛債権(売掛金)を資金化するという意味では大きな差はありません。

しかし一括支払信託が銀行が行っているサービスであり、ファクタリングはファクタリング会社と呼ばれる場所が主に行っているサービスという点が違います。

また契約方法や資金化までにかかる日数、取引先から債権が回収できなくなってしまった場合のリスクなどさまざまな点に違いがありますから注意が必要です。

 

一括支払信託とは?

一括支払信託を利用する際には、売掛債権(売掛金)を持つ企業と債権の相手先となる取引先企業、そしてその間を取り持つ銀行の3社間で契約を行います。

取引先企業は支払日になれば銀行に債権の支払いを行いますが、売掛債権(売掛金)を持つ企業は期日前に銀行を通して早期支払を受けることが可能です。

しかし、その際には「利息」が必要になり、早期に引き出すほどに受け取れる金額が少なくなる傾向があります。

 

一括支払信託のメリット

・好きなタイミングで資金化ができる

・電子決済や債権の一部のみの資金化が可能

・「債権残高証明書」が発行され、残高の把握ができる

 

一括支払信託を利用することで、売掛債権(売掛金)を持つ企業は好きなタイミングで債権を資金化することが可能となります。

資金調達を行う度に審査を受けるわけではありませんので、資金化したいのに断られてしまうという危険を避けることもできます。

また債権を全額資金化せずに一部のみを資金に変えることが可能など、自由度が高いのも特徴です。

さらに取引先企業にとっては電子決済による恩恵として印紙代が不要となったり、会計に関する処理が簡潔になるというメリットも存在しています。

 

一括支払信託のデメリット

・3社間での契約が絶対条件

・取引先の負担が大きい

・債権が回収ができなかった場合のリスク

 

取引先を含めた契約である一括支払信託では、取引先に知られずに売掛債権(売掛金)を資金化するのは不可能です。

その結果、取引先から債権を早く資金化したいのは経営状態が悪化しているからではないかと疑われてしまう危険は否定できません。

また、手続きの際の取引先の手間が大きく、簡単には同意が受けられない可能性もあります。

そして万が一ですが、取引先の倒産により債権が回収できなくなってしまうと、契約内容によっては取引先の代わりに代金の支払義務を負うことになる虞もあり、倒産リスクも考慮する必要があります。

 

ファクタリングとは?

ファクタリング会社と言われる業者に対し、期日前の売掛債権(売掛金)を売却することによって資金調達を行うのがファクタリングです。

債権の相手先となる企業を含める3社間ファクタリングだけでなく、ファクタリング会社と債権の売却を希望する企業との間だけで契約を行う2社間ファクタリングも利用可能であり、状況に応じて契約方法が選べるのも特徴の一つです。

債権の買取時には手数料を支払うことになります。

 

ファクタリングのメリット

・即日資金化も可能で素早い資金調達が行える

・取引先を含めない2社間ファクタリングが選択できる

・返済義務のない償還請求権なしでの契約が基本

 

取引先の承諾を得ずに債権の売却が行える2社間ファクタリングを利用すれば、取引先にから経営状況などを疑われる心配はなく、さらに最短即日での資金化も可能となります。

3社間ファクタリングの場合でも、一週間以内には資金調達が行える期待が高くスピード感抜群です。

償還請求権なし(ノンリコース)の条件で買取契約が完了した後には、取引先が倒産するなどして債権の支払が不可能となってしまった場合にも返済義務などは無く、倒産リスクを心配する必要が無くなります。

 

ファクタリングのデメリット

・取引先の経営状況や取引実績が審査に大きく影響する

・2社間ファクタリングには債権譲渡手続きが必要なことがある

・少額債権は買取を断られたり手数料の割合が大きくなりやすい

 

ファクタリングの審査に大きく影響するのは、確実に債権の支払が実行されるという信頼度です。ですから取引実績の無い新規の取引先からの債権の売却などは、審査に通りにくくなってしまう可能性があります。

取引先の承諾を受けずに債権の売却が行えるのが2社間ファクタリングの大きなメリットですが、債権譲渡登記が求められることも多く手間と費用が必要になるかも知れません。

また10万円以下などの少額の債権は買取が断られてしまったり、手数料の割合が大きくなり額面が目減りすることがありますので、少額債権を合算して額面を大きくするなどの工夫が有効です。

 

一括支払信託とファクタリングは何が違う?

一見すると同じように感じても一括支払信託とファクタリングにはさまざまな違いがあります。

しかし、その中には理解せずに利用した場合、デメリットになりかねない違いも幾つか存在しているのです。「どちらも売掛債権(売掛金)を利用した資金調達方法」と考え、大差はないと思ってしまうのは危険です。

2つの資金調達方法の違いをキチンと理解した上で、どちらを選ぶかを検討しましょう。

 

一括支払信託は信託銀行が債権を管理、ファクタリングは売却

一括支払信託は、銀行などの信託業務も行う信託銀行が間に入り債権を管理しますが、ファクタリングは債権を売却する形で資金調達を行います。

債権を活用しているという点では同じだとしても、実際の中身は全く違うのです。特に一括支払信託の場合は早期に資金化が可能であっても、積極的に利用すると問題になる可能性もありますから、「いざという時には早期の資金化ができる」という捉え方が正しいのかも知れません。

 

債権の資金化のタイミングによっては一括支払信託は大損の可能性も

一括支払信託は早めに資金化を行うと「利息」を支払わなくてはならなくなります。どの程度の額を支払うことになるかは契約内容によって異なりますが、タイミングが早期になるほどに支払う額が大きくなると考えてほぼ間違いはありません。

ファクタリングの場合も、支払いサイトが長い場合には手数料が高くなる可能性がありますが、確実に支払いが実行される高く信頼できる債権と判断されれば、思いの外手数料が低く設定される可能性も充分にあるのです。

 

ファクタリングは必要な諸費用にも注意

取引先を含めない2社間ファクタリングを選択した際には、債権譲渡登記の手続きを求められることがあります。

この際には登記にかかる費用が必要になることもあり、特に少額債権の売買を希望した場合には手元に得られるお金を大きく減らしてしまう原因になることも考えられます。

ファクタリング会社によっては、諸費用を無料としていることもありますので、手数料だけでなく諸費用にも目を向けることが大切です。

 

契約方法の自由度

一括支払信託とファクタリングでは契約に関する自由度が大きく違います。

必ず3社間の契約を行うことになる一括支払信託と、3社間だけでなく2社間という選択肢があるファクタリング。

取引先を契約に含めるのはデメリットになると決まっているわけではありませんが、企業間の信頼を損なう恐れなどを考慮し、取引先に知られずに契約を行いたいと考えるのであればファクタリングを選ぶべきと考えられます。

 

一括支払信託は取引先の負担が大きい

ファクタリングの3社間契約と比較した場合でも、一括支払信託は取引先への負担が大きいと言われています。

それは契約に必要な書類が多く複雑であることが多いからであり、印紙代が無料になるなどのメリットを含めたとしても取引先からの理解を得るのは難しいかも知れません。

ただ、同じ3社間での契約だとしても間に入るのが銀行だということは、安心感に繋がる可能性はあります。

 

2社間ファクタリングは手数料が高い

取引先の承諾を受けずに売掛債権(売掛金)の売買が行える2社間ファクタリングは、多くの企業にとって魅力的に映るはずです。

しかし、2社間でのファクタリングは3社間での契約と比較して手数料が高くなりやすいというデメリットがあります。

また、2社間でのファクタリング契約に債権譲渡登記を条件としている場合、法人化していないと債権譲渡登記が行えませんので、状況によっては利用できないことになる可能性もあります。

2社間の契約が行えるのが魅力でファクタリングを選ぶのであれば、申込みを考えているファクタリング会社の手数料や契約に必要な条件を前もって確認しておくと安心です。

 

債権に関する責任の重さ

一括支払信託もファクタリングも、どちらも債権を資金化する資金調達法であり、銀行とファクタリング会社には取引先の倒産などによって債権回収ができなくなるというリスクがつきまといます。

また、そうなってしまった際には、売掛債権(売掛金)を持つ企業が責任を負わされてしまう危険性も意識しておかなくてはなりません。

 

相手先が倒産した場合、一括支払信託では支払い義務が生じる

債権の相手先が倒産してしまった場合、一括支払信託を利用していると支払義務が生じてしまう可能性が高くなります。

ですから、一括支払信託を利用して債権を早期に資金化し資金調達に成功したとしても、その後も無事に銀行に対して債権の支払が行われるまでは安心することができないということになってしまいます。

この方法を利用する際には、取引先の経営状況などをしっかりと見定めることも大切になります。

 

ノンリコースのファクタリングなら契約完了後は責任なし

基本的にファクタリングでは「ノンリコース(償還請求権無し)」を条件として契約が行われます。ノンリコースで契約をしていれば、もし取引先が倒産してしまったとしても責任を問われたり、受け取った現金を返済するようなことにはなりません。

つまり、買取契約が完了してしまえば、債権に関するその後の心配は無くなってしまうということです。

自社の資金繰りに成功した後も債権に対して不安を感じるのは経営者としても大きな負担になるはずですが、ファクタリングならその心配は無用です。

 

「安心感」を考慮するなら選ぶべきは「ファクタリング」

ファクタリングと一括支払信託を比較して資金調達方法を選ぶ際に、「安心感」を重視するのであれば選ぶべきは「ファクタリング」です。

それは資金化する際のわかりやすさと資金調達後にトラブルが起きる危険の小ささ、そして取引先との関係性への影響などで優れているからです。

ファクタリングの安全性を知ることで、不安無く売掛債権(売掛金)の売却による資金調達が行えるようになるはずです。

 

納得できる条件の場所で資金化ができる

一括支払信託は、資金化するタイミングによっては本来の支払日に受け取れる額よりも大きく目減りしてしまう危険がありますが、ファクタリングであればファクタリング会社を比較して最高の条件の場所を見つけ出し、自分が納得した条件で資金化することができます。

契約段階で、どのタイミングで資金化すると幾ら手元に現金が得られるかが決まってしまう一括支払信託よりも、「その時に最高の条件で」契約することができるファクタリングの方が安心感を得られるのではないでしょうか?

 

償還請求権無しならば債権売却後の不安はゼロ

償還請求権無しでの契約が基本であるファクタリングならば、債権を売却した後は取引先の倒産による債権への影響を心配する必要はありません。

これは場合によっては責任を背負うことになる一括支払信託との大きな違いです。この2つの資金調達方法で、債権の資金化後にどちらが安心して過ごすことができるかは言うまでもありません。

 

2社間ファクタリングを使えば取引先の負担を無くせる

取引先に対して承諾を得ずに債権の売却を行う2社間ファクタリングを利用することができれば、取引先に余計な手間をかけてしまったり自社の経営状況に対して不安を抱かせてしまうような状況を避けることが可能です。

取引先に対して迷惑をかけてしまうと良好な関係を維持するのが難しくなってしまいますが、2社間ファクタリングを選択すれば関係性の悪化を避けながら安心して資金調達が行なえます。

 

ファクタリングで安心感のある素早い資金調達を!

最短即日で資金化が行えるスピードは、ファクタリングの大きな魅力であることは間違いの無い事実です。しかしファクタリングには、ここまでご紹介したさまざまな「安心感」があることこそが最大のメリットなのかも知れません。

素早く安心感のある資金調達を実現できるファクタリングで、資金繰りの悩みを解決してください。

 

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