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ファクタリングコラム
2024年8月8日
目次
ファクタリングでは「2社間ファクタリング」と「3社ファクタリング」という2つの契約方法が選択可能です。この選択次第では資金調達までに必要な期間や適用される手数料の数値に大きな影響を与えることがあり、慎重に選ぶことが大切です。そのためにも知っておいていただきたい、2つの契約方法それぞれのメリットとデメリットと、状況別で選ぶべき契約方法をご紹介します。
売掛債権の売却を希望している企業とファクタリング会社との間で債権の買取に関する契約を結ぶのが「2社間ファクタリング」です。売掛先への通知や相談を行わない契約方法ですので、契約完了後に売掛債権の支払いが実行される際には債権を売却した企業が一旦は代金を受け取り、そのお金をファクタリング会社に支払うという流れになります。
・債権買取に必要な時間が短くて済む
・売掛先に債権を売却したことを知られにくい
2社間ファクタリングでは、売掛先への説明や書類上の手続きを省けることで素早い資金調達ができる可能性が高まります。最短即日現金化が可能なのがファクタリングの大きな魅力の1つですが、即日での資金調達を実現するためには2社間契約を選択するのが近道となります。またファクタリングは違法性の無い中小企業に適した資金調達方法ではありますが、売掛先がファクタリングに対して理解が無い場合には、信頼関係に悪影響が出てしまう危険性が僅かながら存在します。しかし2社間契約を選べば、債権売却に関して知られてしまう危険性を大きく下げることができるのです。
・低い手数料が設定されにくい
・診査通過が若干難しくなる
ファクタリングを利用する際の手数料は、売掛債権の回収に関するリスクが低いと判断されるほどに低くなりやすくなります。2社間ファクタリングの場合は売掛先からの承諾を得ずに売却を行いますので、何かのトラブルが起きる可能性を考慮され、低めの手数料は設定されにくくなってしまいます。また審査に関しても債権の回収リスクが重要になるため、若干ですが診査が厳しくなる可能性は否定できません。
2社間契約を行なう際には「債権譲渡登記」を求められることがあります。この登記を行なうことで債権の権利の在り処を示すことができ二重譲渡の防止などに役立つため、ファクタリング会社にとってのリスクを下げる効果が得られます。回収リスクが下がることで手数料の引き下げや診査通過の可能性アップも期待できますので、資金調達を行いたい企業にとってもメリットがありますが、手続きには費用が必要となる点には注意が必要です。また債権譲渡登記が行えるのは法人のみであり、この手続きが必須の場所では個人事業主は2社間ファクタリングが利用できないということにもなります。
売掛先に対して債権売却に関する通知を行ったり、承諾を受けた上で契約を行なうのが「3社間ファクタリング」です。売掛先・債権の売却を希望する企業・ファクタリング会社の3社間で手続きを行なうためこの名称で呼ばれています。3社間ファクタリングでは、契約完了後の債権の代金の支払いは、売掛先から直接ファクタリング会社に対して行われるのが基本となります。
・低い手数料を設定されやすい
・診査に好影響を与える
3社間ファクタリング最大のメリットは「手数料の低さ」です。ファクタリング会社のホームページには「手数料○%〜」の様に書かれていることが多いのですが、最低水準の手数料は3社間での契約でないと中々設定されません。また売掛先からの承諾を得たり通知を行っていることで支払いに関するトラブルが避けやすくなり、診査通過できる可能性も高まります。
・資金調達に若干時間がかかる
・売掛先からの理解が必要となる
前もって企業間で承諾を得ている場合は別ですが、ファクタリングの申込みを行ってから売掛先に事情を説明したり承諾を得る場合には、どうしても手続きに時間がかかりやすくなってしまいます。もし売掛先からの理解が無い場合には、多くの時間が必要になるかも知れません。しかし大きな問題が無ければ3社間契約でも一週間もあればほとんどの場合で資金調達が完了できますので、他の資金調達方法と比較して素早く現金を用意できる確率が高いのは変わりません。
2つのファクタリングの売買手数料相場は以下のとおりです。
・2社間ファクタリング…10~20%
・3社間ファクタリング…1~9%
ファクタリングの売買手数料は銀行融資などと比較すると割高になるため、少しでも売買手数料を抑えたいなら3社間ファクタリングのほうがよいといえます。
3社間ファクタリングでは売掛先に対し、ファクタリングを利用することを通知することが必要です。
2社間ファクタリングではこの流れは必要ないため、売掛先にファクタリングで資金調達することを知られることはありません。
3社間ファクタリングでは売掛先に対する通知と承諾を得ること、契約に加わってもらうことは欠かせないため、その手間や時間がかかる分現金化まで遅くなってしまいます。
3社間ファクタリングでは、売掛先からファクタリング会社に直接売掛金が支払われます。
しかし2社間ファクタリングでは、売掛先にファクタリングを利用する事実を知られずに手続を進めるため、売掛金を回収するのは利用者です。
利用者は、ファクタリング会社の「集金代行業務」を担う形となるため、売掛先から売掛金を受け取ったら速やかにファクタリング会社に支払わなければなりません。
2社間ファクタリングを利用する際は、回収した売掛金を別の支払いに充ててしまわないようにしてください。
また、償還請求権(売掛金の回収が出来なかった時に利用者に支払義務がある)有の契約は法律上貸付になることから、貸金業登録がなされている金融機関しか取り扱えません。
ファクタリング会社で償還請求権有契約を提供されたら、悪徳業者やヤミ金融業者の可能性が高いので契約しないようにしてください。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのメリット・デメリットを理解し、自社の求める条件に合う契約方法を選択すれば資金調達が成功できる可能性は高くなります。しかし、どの契約方法が良いか判断に迷ってしまっている経営者様は、これからご紹介する、それぞれのファクタリング契約方法を選ぶべき状況を参考にしていただければ幸いです。
もともとファクタリングの審査はハードルが低いといわれていますが、これは調査対象が利用者ではなく売掛先の信用力だからです。
さらに3社間ファクタリングでは売掛先も契約に加わることになり、売掛金の支払いも直接ファクタリング会社に対し行われます。
売掛金の未回収リスクが低くなるため、さらに審査のハードルが低くなります。
・少しでも早く資金調達が行いたい
・売掛先にファクタリングの利用を知られることに不安を感じる
・売掛先の信用力が高いなど診査に関する不安があまり無い
2社間ファクタリングを選ぶべきなのは、一日でも早く資金調達を行いたいという企業様です。ファクタリングの持つ素早い資金調達スピードというメリットは、2社間の契約で最大限に発揮されます。また売掛先との信頼関係を重視し、売掛先からの理解を得ることが難しいと判断した場合にも2社間ファクタリングおすすめです。ただし診査通過できなくては資金調達そのものができなくなってしまいますので、信用力がなるべく高い売掛債権が用意できるかどうか重要になります。
・なるべく手数料を低く抑えたい
・資金調達を確実に行いたい
・現金が必要になるまでに一週間程度の余裕がある
売掛先から債権の売却に関する承諾を得られる可能性が高く、資金調達を行なうのに一週間程度の余裕があるのであれば3社間契約がおすすめです。ファクタリングは手数料の相場は非常に幅広いのも特徴ですが、少しでも低い手数料が設定されやすい契約方法を行なうことで必要な額の資金調達を成功させられる可能性が高くなります。
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