ファクタリングは何社まで利用できる？複数契約・掛け持ちのメリットと注意点

ファクタリングは複数社で契約することも可能で、それにより得られるメリットもあります。また、ファクタリング会社の掛け持ちは、リスクの分散や悪徳会社を排除するための予防策として効果的です。複数契約、掛け持ちのメリットと注意点について解説します。

ファクタリングは何社まで利用できる？

ファクタリングを利用する場合、複数の会社と契約することが可能、何社までも利用できます。その際のポイントと注意点を説明します。

見積りは何社まででも可能

見積りも当然何社まででも可能です。ファクタリングの手数料は各会社が独自に設定しています。売掛金の金額や支払い期日などの条件によっても手数料は異なります。売掛金とは、商品を売り上げた際に「あとでお金を支払ってもらえる権利」のことで、資産として計上されます。具体的には、お店が商品を売った際に、代金を後日請求する権利を指します。売掛金は会計上の仕分けで資産として扱われ、正確な記録を保つために重要です。

複数社から見積りを取得して比較することで、適正な手数料で契約できる可能性が高まります。また、ファクタリング業界では手数料に関する厳格なルールは存在しないため、相場を知ることが重要です。

2社間ファクタリングの手数料相場は8%～18%、3社間ファクタリングの手数料相場は2%～9%です。

複数社で契約することも可能

ファクタリングの契約は1社に縛られる必要はなく、何社まででも他のファクタリング会社を検討することで、より良い条件で売掛金を買い取ってもらえる可能性があります。ファクタリングと融資は審査の仕組みが異なるため、新しいファクタリング会社との審査で不利になることはありません。ファクタリングの場合は信用情報機関への照会がないため、新しいファクタリング会社と契約できます。

信用情報機関とは、金融商品の取引状況や返済履歴などの個人情報を登録・管理する機関のことです。具体的には、クレジットやローンの契約や申し込みに関する情報を客観的な取引事実として保有しています。

ファクタリングを複数社と利用する方法

複数の売掛金があり、債権を高値で買い取ってくれるファクタリング会社が違う場合、別々に契約することも可能です。何社も選択肢に入れることで、より良い条件で取引できる可能性が高まります。

ファクタリングを複数社と契約する場合の注意点

ファクタリングを何社とも契約する際には、以下の注意点を考慮してください。

二重譲渡に注意

ファクタリングは、売掛金をファクタリング会社に売却することで資金調達を行います。複数のファクタリング会社と契約する場合、同じ売掛金を複数回売却しないように注意してください。売掛金を複数社に売却する際は、契約書や取引履歴を適切に管理し、二重譲渡を防止してください。

ファクタリングにおける二重譲渡とは、同一の売掛債権を2社に売却し、それぞれから買取金額を受け取る違法行為です。通常、ファクタリングでは売掛債権をファクタリング会社に譲渡（売却）し、資金調達を行います。しかし、二重譲渡が発生すると、同じ債権が複数の会社に譲渡され、同じ債権に対して権利を主張することになります。この違法行為は、絶対に避けるべきです。

契約条件の比較

複数のファクタリング会社から見積りを取得し、手数料や条件を比較してください。手数料だけでなく、対応の良さや信頼性も考慮しましょう。契約期間や解約条件、追加サービスなども検討して、最適なファクタリング会社を選択してください。

信頼性と評判

ファクタリング会社の信頼性や評判を調査してください。過去の取引実績や顧客の声を確認することで、信頼できる会社を選びましょう。ファクタリング会社が財務的に安定しているか、適切なライセンスを持っているかも確認してください。

契約の透明性

契約書の内容をよく理解し、不明点や疑問点があれば質問するようにしましょう。契約の透明性が重要です。契約期間、手数料、解約条件、売掛金の取扱いなどを明確に把握しておきましょう。慎重に比較検討し、ビジネスニーズに合ったファクタリング会社を選択してください。

ファクタリングを複数社と契約する場合のデメリット

ファクタリングを複数社と契約する際には、以下のデメリットに注意しましょう。

手続きの複雑化

複数のファクタリング会社と契約することで、手続きが複雑になります。契約書の管理や売掛金の取扱いなど、複数のプロセスを把握する必要があります。

信用情報への影響

ファクタリングは信用情報機関への照会がないため、新しいファクタリング会社との審査で不利になることはありません。しかし、複数の会社と契約することで、信用情報に影響を与える可能性があります。

二重譲渡のリスク

同じ売掛金を複数のファクタリング会社に売却することで、二重譲渡のリスクが生じます。契約書や取引履歴を適切に管理し、注意深く取引を行ってください。

手数料の増加

複数のファクタリング会社と契約する場合、手数料が増加する可能性があります。手数料を比較検討し、コストを把握しておくことが重要です。

これらのデメリットを考慮して、ビジネスニーズに合ったファクタリングの選択を検討してください。

複数社から見積りを取る際のポイント

複数社から見積りを取る際のポイントを以下に示します。

明確な要件を共有する

複数の会社に見積りを依頼する前に、具体的な要件を整理してください。売りたい商品やサービス、数量、納期、特別なリクエストなどを明確に伝えることで、正確な見積りを得ることができます。

複数の会社に見積りを依頼する

複数の会社から見積りを取得することで、価格や条件を比較できます。競合他社の見積りを持っていることで、交渉の材料にもなります。

見積りの詳細を確認する

見積りに含まれている項目やサービス、価格、納期、保証などを詳細に確認してください。隠れたコストや条件を見逃さないようにしましょう。

信頼性と評判を考慮する

信頼性のある会社から見積りを取得することをお勧めします。過去の取引実績や顧客の評判を調査して、信頼できる会社を選びましょう。

交渉の余地を考慮する

見積りを受け取った後、価格や条件について交渉する余地があるか確認してください。柔軟な対応をしてくれる会社を選ぶことで、最適な条件を得ることができます。

以上のポイントを考慮して、複数の会社から見積りを取得してください。

ファクタリングの掛け持ちはあり

ファクタリングを複数の会社と掛け持ちで利用することは可能ですが、注意点があります。以下に、ファクタリング掛け持ちのメリットとデメリットを説明します。

ファクタリング掛け持ちのメリット

1. 低い手数料で利用できる
複数のファクタリング会社に掛け持ちで申し込みを行うことで、各会社の手数料を比較できます。これにより、低い手数料でファクタリングを利用できる可能性が高まります。

2. 手数料や条件面での交渉で優位に立てる
掛け持ちで申し込みを行うことで、他のファクタリング会社の見積りを提示できます。これにより、好条件で利用できる可能性が高くなります。

3. ファクタリング会社との付き合いに余裕ができる
複数のファクタリング会社を利用することで、問題行動があればすぐに別の会社に相談できます。付き合いに余裕が生まれます。

ファクタリング掛け持ちのデメリット

1. 同一売掛債権の掛け持ちは違法
同一の売掛債権を複数のファクタリング取引で掛け持ちすることは法律で禁じられています。違法行為には注意が必要です。

2. 手間が増える
複数のファクタリング会社との手続きには手間がかかります。急な支払いなどの緊急性の高いケースでは注意が必要です。

ファクタリングを掛け持ちで利用する際は、違法行為を避けつつ、メリットとデメリットをバランスよく考慮してください。

ファクタリングは何社まで利用できる？複数契約・掛け持ちのメリットと注意点のまとめ

ファクタリングは複数の会社と契約することができます。そのことのメリット・デメリット両方があるので、本記事の内容をよく把握しておきましょう。